菊池渓谷 新緑と虹

2018年5月14日に熊本県の菊池市菊池川の上流に位置する、菊池渓谷に行ってきました。

前日の深夜に移動をはじめ、空が明るくなりはじめた朝の5時ごろに到着しました。

管理人の方をふくめまだ人一人いない状況でした。

菊池渓谷を訪れるのは約4年ぶりで、そのときは紅葉の美しい時期でした。

菊池市は熊本地震の影響を大きく受けており、菊池渓谷は震災以降2年ほど入ることができませんでしたが、先々月より入ることができるようになりました。


菊池渓谷の魅力は、その若干の青みを帯びた水の美しさもさることながら、バラエティ豊富な流れの面白さにあると思います。様々な形状の岩場が滞りなく続き、急流を生み出し清らかな水の音と、日の光をきらきらと反射する”瀬”と、緩やかな流れをつくり、エメラルドブルーの神秘的な水の溜まり場を形成する”淵”が、この渓流の楽しみだと思います。

また、その合間に見られる大小の滝も大きな魅力です。


到着してからすぐは、薄い雲が太陽を覆っていました。程よいコントラストの写真を撮ることができました。新緑のピーク時期は過ぎていたものの、新緑から濃緑の色比べをすることができました。

渓谷の道は綺麗に舗装してあるためお子様や女性の方でも、気軽に自然探索ができると思います。入り口から最奥の広河原まで歩いても全長2キロほどのコースとなっています。


歩き始めるとまず到着するのが、渓谷の顔とも言える黎明の滝。

新緑が眩しく、水の流れる音が鳴り響く迫力のある滝です。

次に到着したのは天狗滝。吊り橋の上から見下ろすことができます。

規模的には黎明の滝より大きいかと思います。

太陽を遮っていた雲が消え、日の光が差し込みはじめ

あらゆるところに光が溜まり光芒も差し込んできました。

鳥の声もいたるところから聞こえはじめ、朝をお迎えしてくれていました。

森が光と活気に満ちはじめて、思わず私の足取りも早くなります。

なぜなら最奥の広河原は光芒の名所だからです。

入り口から数えて30分ほどで広河原へ到着しました。

力強い光芒とまではいきませんが、朝の優しい光が枝葉の間を縫って降り注ぎ、渓谷は流れる清らかな水面一帯がキラキラと輝いていました。

水の中にまで入り夢中で写真を撮りました。

夏になればさらに印象的な光芒が差し込み、美しい瞬間をつくりだすでしょう。

しかし、この時期の若葉の喜々とした様子もまた良いです。

帰りがけの道すがらに、道路沿いの橋梁から見下ろすと立派な虹を見ることができました。

こんなに綺麗な虹を見たのは久しぶりでした。

秋には紅葉で真っ赤な渓谷を見ることができます。夏には避暑地としても気持ちよく、朝方には美しい光芒を見に多くのカメラマンも訪れるようです。

四季折々、様々な表情を気軽に楽しめることのできる素晴らしい場所でした。

菊池渓谷は熊本市中心市街地からでも1時間足らずで行くことができます。

ぜひ一度、その清流の美しさを確認してみてください。

keigo kawaida

1991年宮崎生まれ。熊本大学卒業後、フリーカメラマンとして九州内で活動。2019年に沖縄に移住し、作品制作に注力し始める。撮影テーマに拘らず、自らの好奇心や感情の流動的な変化に忠実な撮影を続けている。

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