西表島 日本最後の秘境

2018.04.15~04.20に沖縄県の八重山諸島に位置する

西表島と小浜島に撮影に行ってきました。

以前4ヶ月間、西表島に滞在したことがあり、その繋がりで行くことができました。

八重山諸島は沖縄本島から南西へおよそ400km離れており気候や文化までもが、沖縄本島とも多少異なっています。

今回は宮崎空港から那覇空港、那覇空港から石垣空港。その後フェリーで30分で小浜島でまず到着しました。西表島へは石垣から50分、小浜から30分ほどで着きます。

西表島は”東洋のガラバゴス”とも呼ばれており、周囲130kmと大きな島でありながら

島の90%以上がジャングルであり、秘境と呼ぶにふさわしい島です。イリオモテヤマネコやカンムリワシなど希少な動物たちが多く生息していることでも有名です。ジャングルは多様な植物たちが入り乱れており、とても深いです。以前、一人で森の中に行くと島の人に伝えた時に、10分間道なき道を入るとジャングルから出られなくなるから気をつけろと注意された覚えがあるほどです。


ただ、今回はガイドさんが案内してくれたため、個人ではなかなか行くことのできない場所に連れていっていただきました。滞在中、しばらくは天気の悪い日が続きました。

しかし、ちょうどヤエヤマボタルが飛翔する時期でもあったため、曇り空の日に見に行きました。ピークの時期ではなかったものの、曇りの日の湿気のある日であったため、ホタルがよく見える条件が揃っていたため、無数のヤエヤマボタルに出会い、とても幻想的な光景に圧倒されました。

九州で見れる蛍の数とは比にならない数が飛んでいました。ヤエヤマボタルは、本土でよく見られるヒメボタルなどの山ボタルに属し、水辺ではなく山のなかの湿った土のあるところに多く生息しています。

山ボタルを見たことのない方も多いと思うので補足しておきますと、ゲンジ・ヘイケボタルなどの清流沿いに見かけるような、いわゆる川ボタルよりも遥かに小さく、体長5mmほどです。特徴的なのはその発光の仕方で、パッパッと点滅しながら飛ぶため、森がイルミネーションされたように輝きます。そのため、写真だと点になって写ります。宮崎だと串間市、鹿児島だとさつま町などの森の中で見ることができるので、ぜひ一度見に行かれてみてください。


それ以降の日には、晴れ間も見えるようになりリバートレッキングやマングローブカヌーなどの撮影に向かいました。雨の日のジャングルの雰囲気は好きですが、晴れの日の緑の生き生きとした様子もまた良く、自然のパワーをもらうことができました。


リバートレッキングではクーラの滝と呼ばれる滝へ。大きな滝ではないものの美しい一筋の滝で、とても気持ちのいい場所でした。早朝に行くのがオススメです。

西表島をドライブしていると、あらゆるところでマングローブを見つけることができます。

マングローブの群生は沖縄本島北部などでも見ることができますが、西表島のマングローブ林は日本最大規模です。マングローブとは熱帯の地域で、海水と淡水が入り混じるところで生息する植物の総称を言い、植物の固有名称ではないとのことです。正式にはヒルギと言います。(◯◯ヒルギと多くの種類があります。)


このような海と川の境目を船やカヌーで進み、マングローブ林までたどり着きました。遠くに見えるのはもう海です。


塩水は一般的に植物に毒となりますが、マングローブはあらゆる工夫をして、このような特殊な環境を生き抜いているようです。

見るからに特筆した形状をした根っこや枝を見れば、その特殊性を実感できます。

カヌーを漕ぎながら、普段注目することのない植物たちの個性を見つけていくのは非常に面白いです。


ここまで西表島の森の話ばかりでしたが、小浜島もふくめ、八重山諸島の海は格別に美しいです。今回はあまり周るタイミングがありませんでしたが、小浜島は”何もないことが最高の癒し”であることを実感できる島と教えてもらいました。

西表島のように鬱蒼としたジャングルに覆われておらず、平べったい小さな島です。美しい海とゆったりとした雰囲気、サトウキビ畑を突っ切る直線の道路、慰安旅行なら小浜島のほうがオススメかもしれません。

最後になりましたが、日中青い空が続いた日には、夜になってから外へ出てみましょう。

宇宙がすぐそこにあるはずです。

keigo kawaida

1991年宮崎生まれ。熊本大学卒業後、フリーカメラマンとして九州内で活動。2019年に沖縄に移住し、作品制作に注力し始める。撮影テーマに拘らず、自らの好奇心や感情の流動的な変化に忠実な撮影を続けている。

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